こんにちは、大阪市東淀川区の社会保険労務士、井上です。
物価高が続く中、経営者の皆様にとっても、働く従業員の皆様にとっても嬉しい「神改正」のニュースが飛び込んできました。
なんと、企業が従業員に支給する「食事代補助」の非課税枠が、約40年ぶりに倍増される見込みです。
「え、今までそんな制度あったの?」という方も多いかもしれませんが、実はこれ、うまく使えば「最強の節税&福利厚生」になるんです。
今回は、この改正のポイントと、企業が導入する際の注意点について解説します。
1. そもそも「食事代補助」とは?
会社が従業員のお昼代などを補助する場合、原則としてそれは「お給料(現物給与)」とみなされ、所得税の課税対象になります。
しかし、以下の条件を満たせば、例外的に「税金がかからない(非課税)」というルールがあります。
【現行のルール】
- 従業員が食事代の半分以上を負担していること
- 会社の負担額が、月額3,500円(税抜)以下であること
つまり、これまでは「会社が負担できるのは月3,500円まで」というのが実質的な上限でした。
今の物価高で月3,500円(1日あたり約170円)では、正直ちょっと物足りないですよね。
2. 改正でどう変わる?(40年ぶりの見直し)
今回の税制改正大綱により、この上限額が大幅に引き上げられることになりました。
- 改正前:月額 3,500円
- 改正後:月額 7,500円(予定)
なんと、一気に倍増以上です!
従業員負担分(同額以上)と合わせれば、月額15,000円分の食事代枠が使える計算になります。
これは企業にとっては「給与を上げずに手取りを増やしてあげられる(社会保険料等の負担も増えない)」というメリットがあり、従業員にとっては「実質的なお小遣いアップ」となる、まさにWin-Winの施策です。
今回の税制改正の全体像については、以下のページも参考にしてください。
参考リンク:税制改正の概要|財務省
3. 導入時の注意点(ここが社労士の出番!)
「よし、じゃあ明日から7,500円渡そう!」と現金で渡すのはNGです。
この制度を使うには、いくつか厳しいルールがあります。
① 現金支給はダメ
現金で渡すと、使い道が限定できないため「給与手当」として課税されます。
「お弁当を現物支給する」か、「食事券(チケットレストラン等)を渡す」といった方法が必要です。
② 「全額会社持ち」はダメ
あくまで「補助」なので、従業員も半分以上負担する必要があります。
例えば、会社が7,500円出すなら、従業員も7,500円以上払っている(合計15,000円の食事をしている)証明が必要です。
③ 役員だけの「一人焼肉」はNG
社長一人のランチ代を経費にするための制度ではありません。
全従業員(または一定のルールに基づいた対象者)に公平に導入する必要があります。
食事代と税務の詳しい取り扱いについては、国税庁のページも確認しておきましょう。
参考リンク:No.2594 食事などを支給したとき|国税庁
まとめ
今回の改正は、物価高に苦しむ中小企業にとって、賃上げ以外の選択肢となる非常に良いニュースです。
「うちは導入できるかな?」
「就業規則や賃金規程はどう変えればいい?」
そのような疑問をお持ちの経営者様は、ぜひいのうえ社会保険労務士事務所までご相談ください。
税理士さんとも連携しながら、最適な福利厚生プランをご提案いたします。
