こんにちは、大阪市東淀川区の社会保険労務士、井上です。
最近、ニュースで「障害者雇用の質」という言葉をよく耳にしませんか?
実は今、障害者雇用優良中小事業主認定制度、通称「もにす認定制度」の見直しが議論されており、国の方針が大きく変わろうとしています。
これは企業だけの話ではありません。
これから就労継続支援(A型・B型)を利用しようと考えている方や、そのご家族にとっても、「選ぶべき事業所」の基準が激変する重要なニュースです。
今回は、この制度の基礎知識と、見直しの背景にある「質の重視」について、社労士の視点で分かりやすく解説します。
1. そもそも「もにす認定制度」とは?
「もにす認定制度」とは、障害者の雇用の促進や安定に関する取り組みが優良な中小事業主(従業員300人以下)を、厚生労働大臣が認定する制度のことです。
ちょっと変わった名前ですが、これは「ともにすすむ(共に進む)」という言葉から作られた愛称です。
企業と障害者が共に明るい未来へ進んでいく、という意味が込められています。
認定されると、自社の商品に「認定マーク」を付けられたり、日本政策金融公庫に低金利で融資してもらえたりと、企業にとって多くのメリットがあります。
制度の詳しい要件などは、以下の厚生労働省のページで確認できます。
参考リンク:障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす認定制度)|厚生労働省
2. なぜ今、見直しが進んでいるのか?
素晴らしい制度に見えますが、なぜ今見直しが必要なのでしょうか。
それは、国の方針が「数合わせ(量)から、働きがい(質)へ」と大きく舵を切ったからです。
これまでは「何人雇っているか(雇用率)」が重視されがちでしたが、一部では「認定は受けているけれど、仕事がない」「すぐに辞めてしまう」といったケースも課題となっていました。
そこで国は、単に雇用するだけでなく、「その人が能力を発揮し、活躍できているか(雇用の質)」を厳しく評価する方向へシフトしています。
障害者雇用の現状や施策の全体像については、こちらも併せてご覧ください。
参考リンク:障害者雇用対策|厚生労働省
3. 今後求められる「5つの質」と事業所への影響
この「質重視」の流れは、一般企業だけでなく、福祉サービスである「就労継続支援A型・B型」にも波及しています。
今後、評価される(生き残る)事業所の条件は、以下の5つの視点を満たしているかどうかです。
- ① 能力発揮:個人の特性に合った仕事と教育があるか。
- ② 戦力化:「ただ居るだけ」ではなく、事業に貢献しているか。
- ③ 人事管理:適切な配置や環境整備がされているか。
- ④ 正当な評価:能力に見合った賃金や昇給があるか。
- ⑤ 雇用の安定:長く働き続けられるか。
就労継続支援A型・B型の制度詳細については、以下も参考にしてください。
参考リンク:就労系障害福祉サービスについて|厚生労働省
4. 【結論】これからの「失敗しない選び方」
これから就職先や事業所を選ぶ際、社労士としてアドバイスしたいのは「仕事の中身を見る」ということです。
「もにす認定だから」「時給が高いから」という表面的な条件だけでなく、見学の際にはぜひこう質問してみてください。
「ここでの仕事は、どこの誰の役に立っていますか?」
地域のお店の商品を作っていたり、企業のデータ入力を請け負っていたりと、「社会とつながっている仕事」がある場所こそが、将来のキャリアにつながる安心できる事業所です。
まとめ
「もにす認定」の見直しは、障害者雇用が次のステージに進んだことの合図です。
働く側にとっては「より良い職場」を選びやすくなり、企業側にとっては「真の戦力」として採用を見直すチャンスでもあります。
「自社の障害者雇用の体制を見直したい」
「制度変更に対応できる就業規則を作りたい」
そうお考えの経営者様は、ぜひ一度、いのうえ社会保険労務士事務所までご相談ください。
最新の法改正に対応した、誰もが働きやすい職場づくりをサポートいたします。
