おはようございます。大阪市東淀川区の社労士、井上です。

「社会保険労務士(社労士)って、名前は聞くけど具体的に何をしているの?」
「いつか社労士試験を受けてみたいけど、難易度や勉強方法が分からない…」

そんな疑問をお持ちの方に向けて、今回は現役社労士である私が、社労士の仕事内容から、2026年(令和8年)の試験日程の予想、難易度、そして「過去問だけで受かるのか?」といったリアルな試験対策までを徹底解説します!

社会保険労務士の具体的な仕事内容


社会保険労務士(社労士)とは、企業における「人(ヒト)」に関する専門家であり、労働・社会保険のスペシャリストです。その業務は社会保険労務士法という法律に基づいており、大きく分けて「1号業務」「2号業務」「3号業務」の3つに分類されます。

【1号業務(手続き代行業務)】※独占業務
企業が従業員を雇い入れた際や退職した際の「雇用保険・健康保険・厚生年金」の手続き、あるいは従業員が仕事中にケガをした際の「労災保険」の申請など、行政機関(労働基準監督署、ハローワーク、年金事務所など)に提出する書類の作成や提出代行を行います。これらは国家資格を持った社労士にしか許されていない「独占業務」です。

【2号業務(書類作成業務)】※独占業務
企業のルールブックである「就業規則」の作成・変更や、労働者名簿、賃金台帳といった法定帳簿の作成を行います。働き方改革が進む中、適法で実態に即した就業規則を作ることは企業防衛の観点から非常に重要であり、これも社労士の独占業務となっています。

【3号業務(コンサルティング業務)】
人事や労務管理に関する相談に応じ、適切なアドバイスを行います。「問題社員への対応」「未払い残業代トラブルの防止」「助成金の活用提案」など、経営者の右腕となって企業の成長をサポートする、非常にやりがいのあるコンサルティング業務です。

近年では頻繁に行われる法改正への対応や、ハラスメント防止対策など、社労士に求められる役割とニーズはますます高まっています。

2026年社会保険労務士試験の試験日はいつ?


社会保険労務士試験は、毎年「8月の第4日曜日」に実施されるのが通例です。
2026年(令和8年)の試験日はまだ正式に発表されていませんが、

例年の傾向から考えると2026年8月23日(日)に実施される可能性が高いと言えます。

参考までに、2025年(令和7年)の第57回社会保険労務士試験の概要は以下の通りでした。

内容 令和7年度 第57回社会保険労務士試験の概要
インターネット申込 令和7年4月14日(月)10:00~5月31日(土)23:59(受信有効)
※払込み手数料418円
郵送申し込み 令和7年4月14日(月)~5月31日(土)最終日消印有効
※払込み手数料203円、別途簡易書留料金(350円)と郵便料金
試験日 令和7年8月24日(日)
合格発表 令和7年10月1日(水)
試験の方法 マークシート式(択一式 70問/選択式 8問)
受験手数料 15,000円(非課税)
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郵送申込書は最寄りの社労士会でももらえます。将来お世話になるので一度行ってみるのもいいでしょう。

社会保険労務士試験の試験科目


社労士試験は非常に範囲が広く、労働保険から社会保険まで多岐にわたる法律の知識が問われます。「選択式(空欄穴埋め)」と「択一式(5肢択一)」の2つの形式で出題され、それぞれの科目の配点は以下の通りです。

試験科目 選択式
計8科目(配点)
択一式
計7科目(配点)
労働基準法及び労働安全衛生法 1問(5点) 10問(10点)
労働者災害補償保険法 ※ 1問(5点) 10問(10点)
雇用保険法 ※ 1問(5点) 10問(10点)
労務管理その他の労働に関する一般常識 1問(5点) 10問(10点)
社会保険に関する一般常識 1問(5点)
健康保険法 1問(5点) 10問(10点)
厚生年金保険法 1問(5点) 10問(10点)
国民年金法 1問(5点) 10問(10点)
合計 8問(40点) 70問(70点)

※選択式では「労働保険の保険料の徴収等に関する法律(徴収法)」からの出題はありません。
※択一式の「労災保険法」及び「雇用保険法」は、各10問のうち問1~問7がそれぞれから出題され、問8~問10の3問(計6問)が「徴収法」から出題されます。

社会保険労務士試験の試験時間・スケジュール


社労士試験は、1日で選択式と択一式の両方を実施する長丁場の試験です。

出題形式 着席時刻 試験時間
選択式 10:00 10:30~11:50(80分)
択一式 12:50 13:20~16:50(210分)

特に午後の択一式試験は、210分(3時間半)という極めて長時間の集中力が求められます。夏の暑い日に一日がかりで実施される、まさに体力勝負の試験です。時間配分はもちろん、当日の体調管理には細心の注意を払いましょう。

また、着席時刻(午前10:00、午後12:50)から試験の説明が始まるため、必ずその時間までに試験室に入室して着席してください。開場時刻は9時30分となっており、それより早く会場に入場することはできません。

社会保険労務士試験の受験資格


社労士試験は誰でも受けられるわけではなく、受験資格が定められています。大きく分けて以下の4つの条件のいずれかを満たす必要があります。

  1. 学歴:大学、短期大学、高等専門学校(5年制)を卒業した者など
  2. 実務経験:社労士事務所や企業の労務担当などで通算3年以上従事した者
  3. 試験合格:行政書士試験などの各種士業試験、各種公務員試験、1級・2級電気工事施工管理技士検定試験などに合格した者
  4. 過去の受験歴:過去3年以内に社労士試験の受験票や成績通知書等を交付された者

ご自身がどの要件に当てはまるか、事前にしっかりと確認し、証明書類(卒業証明書や実務経験証明書など)を早めに準備しておくことが大切です。

社会保険労務士試験の試験地


2026年の試験地はまだ発表されていませんが、参考までに2025年(令和7年)の社会保険労務士試験の試験地は全国19か所でした。

【2025年の試験地一覧】
北海道、宮城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県

※1つの都道府県で複数の試験会場が使用される場合もあります。

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大阪府の場合、関西大学、大阪経済大学、大阪電気通信大学、大和大学、インテックス大阪などが会場として使用された実績があります。

社会保険労務士試験の合格率や難易度


社労士試験の難易度は、国家資格の中でもトップクラスに位置します。

過去10年間の合格率は「4.4%~7.9%」の間で推移しており、令和7年の合格率はわずか「5.5%」でした。
これは、43,421人が受験して、実に41,045人が不合格の涙を飲むという、非常に過酷で難易度の高い試験であることを意味しています。全科目に「足切り(基準点)」が設定されているため、1科目でも苦手を作ると合格できないのがこの試験の恐ろしいところです。

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17個も基準点があるのは社労士試験だけです。

社会保険労務士試験の勉強はいつから?


一般的には、試験が終わった翌月の「9月」から、約1年間かけて勉強をスタートするのがベターだと言われています。

しかし、効率を極限まで重視するならば、「受験申込期間の開始日(例年4月中旬)」から短期集中で勉強を開始するという戦略もあります。なぜなら、社労士試験における法令の基準日はその年の4月中旬(受験案内公示日)に設定されており、それ以降に発生した法改正は、その年の試験範囲には一切含まれないからです。「試験に出る法改正がすべて確定した状態」からスタートできるのがメリットです。

社会保険労務士試験は過去問だけで受かる?


「試験勉強はとにかく過去問が大事!」とよく言われますが、現在の社労士試験において、そのアドバイスをそのまま鵜呑みにするのは危険です。

最近の社労士試験の問題を選択肢単位で分析すると、過去10年間に出題されたものがそのまま(あるいは少し表現を変えて)出題される「過去問リピート率」はおよそ2割~3割弱まで減少傾向にあります。大昔は5割程度あったと言われていますが、今は違います。

その代わりに増えてきているのが、以下のような問題です。

  • 事例形式の長文での出題
  • 「正しいものはいくつあるか」という個数問題や組み合わせ問題
  • 択一式で出た論点が選択式で出題される(またはその逆)
  • 選択肢の正誤を逆にして引っ掛ける出題

さらに、これらに加えて「過去未出題の論点・判例・通達」や「最新の法改正・白書統計」が容赦なく出題されます。

つまり、単に過去問題集の正解を覚えて正答率を上げるだけの勉強法では、絶対に合格レベルには到達できません。過去問演習はある程度の段階で区切りをつけ、テキストの読み込みや最新の法改正対策、模擬試験など、次の段階の学習にステップアップしていくことが不可欠です。

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過去問で基準点割れを回避し、未出題の問題で合格点まで持っていくイメージです。

まとめ:社労士への道は厳しいが、それ以上の価値がある!


社会保険労務士は、企業の「人」に関するあらゆる悩みを解決し、経営者を一番近くでサポートできる魅力的な仕事です。
しかし、その資格を手にするための試験は、合格率5%台、真夏の1日で行われる3時間半超えの過酷なハードルが待ち受けています。

これから社労士を目指す方は、過去問だけに頼らない正しい学習戦略と、長丁場を乗り切る体力づくりを意識して、ぜひ合格を勝ち取ってください!

【参考リンク】
社会保険労務士試験オフィシャルサイト
全国社会保険労務士会連合会

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