おはようございます。大阪市東淀川区の社労士、井上です。
本日は、定年退職を控えた皆様にとって「知らないと数十万円損をするかもしれない」非常に重要なお話をさせていただきます。
「なぜ定年後2年は働いたほうがいいのか?」、そして「65歳まで働くつもりなら、なぜ64歳11ヶ月で辞めるべきなのか?」という、プロだけが知っている退職時期の黄金ルールを徹底解説します。
定年退職後に「2年」働くと手取りが激変する理由
多くの方が「60歳で定年退職して、悠々自適な生活を送りたい」と考えますが、実はここに大きな落とし穴があります。それが「住民税」と「国民健康保険料」の支払いです。

この2つには以下の特徴があります。
- 住民税:前年の所得(1月~12月)に対して課税され、翌年の6月に請求が来る。
- 国民健康保険料:前年の所得を基準に計算される。
現役時代の年収が高い人ほど危険!
60歳の定年直前は、人生で最も年収が高い時期の一つです。しかし、60歳できっぱり退職して無職になると、翌年に「現役時代の高収入に基づいた高額な住民税と保険料」の通知が届きます。
収入がないのに、数十万円単位の支払いを貯金から切り崩すことになるのです。
【なぜ2年働くのが正解なのか?】
60歳以降、再雇用などで給与が下がったとしても働き続けることで、以下のメリットが生まれます。
- 住民税や保険料が、会社員としての給与天引き(特別徴収)で済むため、精神的・資金的な負担が分散される。
- 給与が下がれば、その翌年の税金・保険料も安くなる。
つまり、「年収を下げて2年ほど働き、税金の計算ベースを安くしてから完全リタイアする」というのが、資金繰りにおいて最強の防衛策となるのです。
【衝撃】65歳まで働くのは損?「64歳11ヶ月」が最強なワケ
次に、さらに重要な「失業保険(雇用保険)」のお話です。
もしあなたが「65歳まで働こう」と考えているなら、「65歳の誕生日の前々日(64歳11ヶ月)」での退職を強くおすすめします。
理由は単純です。もらえる失業保険の「種類」と「金額」が全く違うからです。
| 退職時期 | 64歳11ヶ月まで (65歳未満) |
65歳以上 |
|---|---|---|
| 給付の名称 | 基本手当 (いわゆる失業保険) |
高年齢求職者給付金 |
| もらえる日数 (被保険者期間20年以上の場合) |
最大 150日分 | 一時金 50日分 |
| 受取総額の差 (日額5,000円の場合) |
750,000円 | 250,000円 |
このように、たった1日退職日が遅れるだけで、給付日数が100日分(金額にして数十万円〜百万円近く)も減ってしまうのです。
64歳11ヶ月で退職すれば「基本手当」をフルに受給でき、さらに受給終了後(または待機期間満了後)には65歳からの老齢年金も受け取ることができます。
この「逃げ切りスケジュール」については、当事務所の解説ページでも詳しく比較していますので、必ず確認してください。
詳しくはこちら:退職タイミングによる給付金の違いを徹底比較
退職後の落とし穴!住民税の支払いに注意(シミュレーション)
最後に、冒頭でも触れた「住民税」の怖さをシミュレーションで確認しておきましょう。
住民税は「後払い」です。会社を辞めた後に、忘れた頃にやってきます。
年収別・退職後に来る住民税の目安
例えば、月給30万円(ボーナス込み年収約450万円)の方が退職した場合、翌年に来る住民税の通知書(納税通知書)は以下のようになります。
【シミュレーション条件】
・退職時の年収:約450万円
・住民税額(概算):約24万円 / 年
退職後の支払いイメージ:
会社を辞めて給与がない状態なのに、「6月・8月・10月・翌年1月」の4回に分けて、毎回約6万円ずつの納付書が届きます。
在職中は毎月のお給料から約2万円ずつ天引きされていたものが、退職後は自分で納付書を持って支払いに行く「普通徴収」に切り替わります。
「えっ、もう給料ないのに!」と慌てないよう、退職金の一部は必ず納税資金として残しておく必要があります。
住民税の普通徴収と特別徴収の仕組みについては、以下の金融機関のコラムも参考になります。
また、失業保険の手続きについては、最寄りのハローワークで早めに相談することをお勧めします。
ハローワークインターネットサービス(厚生労働省)
定年退職はゴールではなく、第二の人生のスタートです。
知っているだけで得する制度をフル活用して、賢くリタイア生活を迎えましょう!
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