以前の記事で紹介した国保逃れスキーム。専門家として取材も受けたわけですが。ついに厚労省が是正に動くことになりました。

おはようございます。大阪市東淀川区の社労士、井上です。

今、士業やフリーランスの間で激震が走っているニュースがあります。それが、一般社団法人などを利用した「国保逃れ」に対する、厚生労働省の本格的な是正措置です。

これまで「節税スキーム」として一部で推奨されていた手法に対し、国がついに「実態がなければ違法」という極めて強い言葉で踏み込みました。4月からの新年度を前に、何がアウトになり、どのような調査が行われるのか、最新情報を整理してお伝えします。

「国保逃れ」にメス!厚労省が日本年金機構へ通知へ


厚生労働省は、個人事業主らが社会保険料の負担を軽減するために一般社団法人の理事などに就く、いわゆる「国保逃れ」について、運用の厳格化を決定しました。早ければ2026年3月中にも日本年金機構に対して通知が出される予定です。

この動きの背景には、日本維新の会に所属する地方議員らにおいて「脱法的行為」が発覚し、1月に計6人が除名処分を受けた問題があります。制度の信頼性を揺るがす事態として、国は「抜け穴」を完全に塞ぐ方針を固めました。

審査を分ける「2つのNG条件」とは?


今回の通知では、社会保険の被保険者資格があるかどうかを判断する基準が具体化されました。特に以下の2点に該当する場合、加入が否認される可能性が極めて高いです。

項目 具体的な判定基準(NG例)
(1) 報酬の対価性 法人に支払う会費が、受け取る役員報酬よりも多い場合。(報酬要件を満たさない)
(2) 業務の実態 アンケートの回答や勉強会への参加のみ。これらは「自己研さん」とみなされ、業務要件を満たさない。

上野賢一郎厚労相も、「役員としての業務が経営参画を内容とする経常的な労務の提供か」「報酬が業務の対価か」という2点を総合的に勘案する必要があると述べています。単に「名前だけ貸して保険に入る」という行為は、明確に拒絶されることになります。

年金事務所による「社会保険料削減ビジネス」への調査


さらに、インターネット上で「社会保険料削減サービス」をうたって勧誘している事業者も調査の対象となります。各地域の年金事務所が、こうした事業者を順次調べ、不適切な加入者を特定していく流れです。

実態がないと判断された場合、単に加入が拒否されるだけでなく、過去に遡って資格が取り消され、多額の国民健康保険料を追徴されるリスクがあります。目先の保険料削減に惑わされず、法令に則った適切な加入を検討することが、最終的なリスクヘッジに繋がります。

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